
オコジョ研究会

木の洞を覗くオコジョ
2023年5月4日岐阜県五色ヶ原の森にて撮影
ホンドオコジョ(Mustela erminea nippon)
本州中部地方から東北にかけて涼しい山岳地帯に生息する。
北海道には亜種のエゾオコジョが生息する。
◆環境省ランク:準絶滅危惧種(NT種)
◆分類 :食肉目イタチ科
◆サイズ :体長オス18~20(cm),メス14~17(cm)
◆生態 :肉食であり、ネズミ、モグラ、リス、鳥類などを襲撃し捕食
する。年に2回換毛し、夏には背側が褐色に、冬には全身真
っ白に変化する。尾先は年中黒い。
◆繁殖 :出産期は5月上旬であり、一度に4~6匹を出産する。子育て
は雌のみによって行われ、9月中旬頃に子の分散期(親離れ)
となる。
◆現状 :
①国内の研究例や情報の不足・偏在
・現在,ホンドオコジョ(以下「オコジョ」)発見記録を積極的に収集している施設は,石川県白山自然保護センター・群馬県尾瀬保護財団のみ.
・全国分布図は,1990年代の環境省第5回動植物分布調査より未更新.
・分布や生態に関する研究は,局所的である(志賀高原、白山).
② 気候変動による影響
・高山生物(氷期の遺存種)であるため,今後温暖化の影響を受ける可能性.
➂ イタチ、キツネ、テンなどの競合による影響
・近年ライチョウ保護増殖事業でも問題視されているが、キツネやテンなど、本来低標高域で生息する生物が高山域に侵入してきている.
・北海道のエゾオコジョは,競合により目撃例が減少したとされる報告も. (浅川 1992; 池田 1997)
④ その他
・生息確認地域の減少報告(野紫木 1996; 生物多様性調査動物分布調査報告書(哺乳類) 2002) や,シカの高山侵入による植生崩壊に伴う餌資源減少なども危惧されている.
◆見分け方
尾先1/3程度の黒い毛が特徴.高山帯において岩の隙間から顔を覗かせたり,草原を走り回ったり飛び跳ねたりしている.






